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詩吟の魅力

2017年9月5日

こんにちは!スタッフの平島です。
最近朝晩は涼しくなり秋の気配を感じられるようになってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今週日曜日(9月10日)に開催致します「重陽後一日吟詠会」を前に、今回の記事では、詩吟の魅力について皆様にお届けできればと思います。
詩吟に馴染みのない方は、「そもそも詩吟って何?」「何を歌っているの?」「魅力は?」などの疑問があるかと思います。
私もそうでした。
今回の記事を書くにあたって、長く詩吟をなさっているきもの利久のスタッフ「筆永専務」にお話を伺いました。

 

平島
「9月10日に開催する詩吟の会を、参加されるお客様がより楽しめるように、詩吟について色々とお聞きしたいのですが、そもそも詩吟ってどのようなものなんですか?」

専務
「詩吟は吟詠とも呼ばれていて、詩に節をつけて歌う邦楽の一つです。ミ・ファ・ラ・シ・ドの五音を用いて、詩のイメージに合わせたリズムやテンポをつけて歌います。分かりやすく言うと、メロディーのある朗読といった感じでしょうか。」

平島
「詩吟は何度か聴いたことがあったのですが、メロディーがどれも同じように聞こえたのは、限られた五音しか用いられていないからなんですね。」

専務
「そうですね。だからこそ、それぞれの詩に違いを出すには、その詩に合ったリズムやテンポ、強弱をつけて吟じないといけないんですよ。そこが難しいところですね。」

平島
「確かに難しそうですね。
では、詩吟ではどのような詩が用いられるのですか?」

専務
「詩吟では漢詩や和歌がよく歌われますが、他にも俳句や現代詩などどんな詩でも吟ずることができます。
今回開催する詩吟の会は、菅原道真公が詠まれた九月十日という漢詩のみを吟ずる会です。」

平島
「邦楽なのに漢詩とは驚きました。
では、その九月十日について詳しく教えてください。」

専務
「まず、五節句の中には重陽という節句があります。それは九月九日なのですが、今回の会の題になっている重陽後一日とは、九月九日の次の日ということでそのまま九月十日を指しています。
時は平安時代。醍醐天皇が九月十日に催した宴で菅原道真公は、たくさんの恩を頂いた醍醐天皇のお力になれない非力な自分を憂いて秋思詩という詩をお詠みになりました。その詩に感銘を受けた醍醐天皇は道真公に御衣を授けられましたが、それをよく思わなかった藤原時平が道真公に濡れ衣を着せ、その結果道真公は大宰府に左遷させられてしまいます。冤罪とは言え、そのような結果を招いてしまった自分の不注意さや、無実を晴らしたいがどうすれば良いかわからないもどかしさ、醍醐天皇の側を離れないといけなくなったことへの申し訳なさなどの葛藤を繰り返し、気づけば今日は九月十日。一年前の今日、醍醐天皇から賜った御衣の残り香を懐かしみ詠まれた詩が九月十日です。」

平島
「何というか悲しい詩ですね。
ですが、これを知っているのと知らないのとでは、今回の詩吟の会の楽しみ方が全然変わってきますね。
他にも詩吟を楽しむための聴き方はありますか?」

専務
「詩吟では、詩の心情や情景を吟ずるので、その詩の内容をイメージしながら聴いて頂けるとより楽しめるかと思います。
あとは、それぞれの詩のメロディーや強弱の違い、吟士(吟ずる人)の吟じ方の違いなどを楽しんで頂ければよいかと思います。

今回の会は九月十日のみを吟ずる会なので、それぞれの吟士の吟じ方の違いが分かりやすいかと思います。また詩吟だけでなく、詩吟に合わせて舞う詩舞や、皆様と一緒に吟ずる講座などもありますので是非ご参加下さい。」

平島
「ありがとうございます。
これで詩吟に馴染みのない方でも詩吟を楽しむことができますね。」

 

詩吟に限らず日本の伝統芸能は大変奥が深く、今回筆永専務に伺った内容は詩吟のほんの一部に過ぎません。私も幼少期から三味線を習っておりますが、詩吟は同じ日本の伝統芸能ということで似たものを感じました。
詩吟、三味線、着物、茶道、民謡、長唄、歌舞伎、能…
どれも少ない言葉や動作の中に、心情や情景、風情などを表現する素晴らしい日本の文化だと思います。だからこそ人を感動させることができると思いますし、日本人であれば誰しも無意識のうちに惹かれていくのだと思います。そんな美しく素晴らしい日本の文化を、着物や三味線に携わる者として、これからも守って広めていきたいと思います。

 

皆様も世界に誇る日本の伝統芸能に触れてみてはいかがでしょうか。その第一歩に「重陽後一日吟詠会」はぴったりだと思います。日付は平成29年9月10日(日)。場所はきもの利久観覧は無料となっておりますので是非ご参加ください。

スタッフ平島